今年作った食品まとめ

料理と食品の違いが何なのかは分からないけれど、皿に盛りつけてそのまま食事にできるものが料理、調味料を足したり他の食材と合わせるなど一手間を加えるものが食品という仮の定義をいま考えたので、その区別に沿って書くことにすれば今年はこれまでに6種類の食品を拵えたらしい。

2月には味噌を仕込んだ。「大豆・米麹・塩」で作る普通の味噌と、「大豆・豆麹・塩」の豆味噌。ホットクックを手に入れてからは大豆を煮るのが簡単になり、大量生産が可能になった。市販の味噌よりも塩辛いので料理への使用量は少なく済むはずだが、和洋中を問わずどんな料理にも味噌を入れるので毎年気がつけば無くなっている。

4月には納豆を作った。納豆菌を熱湯に溶かし、蒸し大豆にふりかけて40℃で放置すれば出来上がる。材料費を考えると大して安くはないし、市販の納豆がいかに高品質で低価格かよく分かる。

5月中旬にはラッキョウを漬けた。皮をむいて少し切って洗うだけなのに、なぜだかひどく時間を費やしてしまい疲れた。それでも自分好みの味にできるメリットのほうが大きいので来年もまた2kg買いたい。半分は醤油漬けに、もう半分は甘酢漬けに。

5月下旬には実山椒を買った。半分は醤油漬けに、もう半分はジップロックに入れて冷凍中。

6月には梅シロップを作った。宣言解除後のタイミングだったのでお裾分けを口実に、会いたい人へ会いに行った。

7月には船橋海神さんに頂いた果物でジャムを作った。果物の名前は分からないが、ウィキペディアの柑橘類のページから辿ったかぎりではハッサクに近いように思われる。ほぐした果実をブレンダーで粉砕し、オリゴ糖を入れて煮詰めるとマーマレードのようなものができた。市販のマーマレードよりもさっぱりした甘さでとても旨い。食パンにのせて数日で完食。

f:id:fellfield:20200820000102j:plainf:id:fellfield:20200712085449j:plainf:id:fellfield:20200820001042j:plain
f:id:fellfield:20200820000138j:plainf:id:fellfield:20200712142145j:plainf:id:fellfield:20200715103713j:plain

8月には猛暑となり台所に立つ気力を失ったため何も作れそうにない。夏が終わったら味噌を味見して、それから次を考える。

居場所

個人事業主でなく法人化して仕事を請けている理由のひとつには「居場所が欲しかった」ことがある。何を言っているのかよく分からないと思うので以下詳しく書き連ねる。

人間には居場所が必要である。居場所とは拠り所であり、つまり自分が依拠する場所のことだ。それは生まれ育った実家でもよいし、一人暮らしの部屋、公園のベンチ、会社の机など様々なのだけど、どこかには居場所がないと辛い。ふらふらとさまよい続けるのも体力がいる。

インターネットで長いこと文章を書いていると、やはり居場所があるほうが安心感がある。SNSでもブログでも良いのだけど、拠点となる場所があれば、そこを拠り所にして踏ん張ることができる。

話はやや飛ぶが、地図を広げて地名を眺めることを長年の趣味にしてきた。この地名というやつも、古代の人間が拠点を設けたことの名残りだと思っている。自分がただそこにいるのでは安心感がない。場所に名前をつければ、そこを拠点に動き回ることができる。

自分の文章を蓄積するサイトやブログに名前をつけたのも、自分の仕事に個人名ではなく会社名をつけたのも、大昔の人間が場所に名前をつけたのと同じだ。名前をつけて自分の居場所を作った。名前をつけるだけで居場所を作れるのだから便利なものだよな。地名というのはまったく偉大な発明だが、地名について語るとキリがないので省略する。

江戸川の堤防に座ってスマホで20分で書いた適当な文章をそのまま投稿して良いものか迷うけれど投稿する。ついでの余談だけれど、仕事内容をWordPress + WebGISにしていこうと思っていて、ちょうど今そういう仕事が進行している。地図や地名について遊び半分にぼんやり考えていたことを具現化する時期に差し掛かってきた。


f:id:fellfield:20200711164302j:image

草千里

鮪の血合いを半額の198円で買った。自宅に帰ってパックの重さを量ると520gもある。こんなに美味しいものがタダ同然の値段なのはおかしい。たとえ5倍の値段でも俺は買う。ぶつ切りにして1時間ほど水にさらし、醤油・酒・砂糖・千切りショウガで煮つけにした。すぐに食べるよりも、冷蔵庫で一晩置いたほうが美味しい。煮こごり、というのだろうか。

今週から息子は保育園へ、妻は職場へ復帰する。娘は来週から小学校が始まる。自宅にこもる生活に慣れてしまい、これが何ヶ月続いても大丈夫と思えていたはずが、制限の緩和が見えてきたとたんに息苦しくなり、どこか遠くへ出かけたくなった。出かけたところで自由を感じるわけでもない。行動範囲が狭まることが不自由で、行動範囲が広がることが自由、と単純なものでもなく、人はただそのときの気分だけで、自由や不自由を感じている。「人は」といえば主語が大きいなら、少なくとも自分はそうだ。

河川敷の原っぱに座り、1歳児と同じ目線で景色を眺めていると、原っぱと空は途方もなく広かった。堤防の向こう側の住宅街が見えなければ、ここが江戸川の河川敷なのか、阿蘇山の草千里にいるのか判別もつかない。しばらくはこの目線のままでいたい。

f:id:fellfield:20200419160138j:plain

 

腰・納豆菌・土

先週の月曜、眠っているあいだに腰を痛めたらしく、まともに歩けなくなった。30度ほどの前傾姿勢になると一応は歩けるが、たびたび電撃のような痛みが走って妙な声が出る。椅子に座ってPC作業をしているかぎり痛みはなく、仕事は問題なく進んだが、台所に立って料理をしたり1歳児を抱き上げることはできない。この日は全面的に妻に頼った。俺は料理ができないといいつつ大量の大豆を洗って水に浸し、冷蔵庫へ入れた。

水曜日、吸水して膨らんだ豆をホットクックで蒸した。今まで何度も納豆を作ってきたが、吸水や加熱が足りなかったのか、噛み応えのある納豆になったことが多い。今回は4時間かけて蒸したので歯が無くとも歯茎で押しつぶせるほどの柔らかさになった。我が家の1歳児はもう歯が生えそろっているし腕を噛まれれば歯形が残る。直立してどこまでも転ばずに歩いて行ける。俺の腰の痛みは変わらないが、前傾姿勢は15度くらいになった。1歳児のほうが真っすぐ立っている。

木曜日、粉末の納豆菌を混ぜた大豆を、ホットクックで24時間の保温にする。通販で買った納豆菌を振りかけるなんて、贅沢な作り方をしているなと感慨深い。昔、一人暮らしを始めたときに読んだ川上卓也『貧乏神髄』では、田んぼで藁を拾ってきて煮沸消毒すると書かれていた。納豆菌だけが生き残り、他の雑菌はすべて死滅するらしい。とはいえ当時の俺も田んぼへ藁を拾いに行くことはなく、市販の納豆をすすいだ湯から納豆菌を取り、魔法瓶に豆と菌を入れて保温したのだった。

金曜日、発酵を終えた納豆を冷蔵庫に入れた。しばらく寝かせると旨みが出るらしい。それにしても納豆づくりに5日間もかかるなんて「一週間」の歌みたいだな、と内心で思っていたら、妻にも「一週間」の歌みたいだねと言われた。月曜日に大豆を洗い、火曜日は大豆を浸し、水曜日に大豆を蒸して、テュリャ テュリャ テュリャ テュリャリャ。

土曜日、腰の痛みはだいぶ引いて、前傾姿勢は5度くらいになった。30度→15度→5度と写真を並べてみたら類人猿の進化図になりそうだ。

日曜日、アパート前で子どもたちと遊んでいると郵便局の車が着いた。いつも荷物を届けてくれる顔見知りの老夫婦に挨拶する。おばあさんは腰が曲がっていて、2階の部屋までゆっくりと階段を昇ってくるので、なるべく俺が1階に降りて受け取っている。この日はたまたま1階にいたので自分でやりますと伝え、軽ワゴンから4箱の大きな段ボールを自分で降ろした。通販で買ったプランターと10kgの土を持ち上げても痛みはない。腰はようやく完治したようだ。配達のおじいさんはおそらく70代だと思うが、週末にも休みなく配達しているようで、こんな重たいものを通販で買ってしまい申し訳なかった。

月曜日、今日は朝から仕事が忙しく、まだプランターに土は入れていない。たくさん作ったはずの納豆は子どもたちが食べ切ってしまった。明日はまた大豆を洗い、水曜日に大豆を蒸して、金曜日に食べる。

ペンギン

Amazonで9千円台のプロジェクターを買った。iPadとつないで部屋の白い壁にNetflixを映し、ピングーを流すと1歳児が跳びはねて喜んだ。続けてOUR PLANETの南極の回を映すと、やはり目を輝かせて見入っていた。どちらも同じペンギンだと気付いているのかは分からない。壁に映像が映し出されて、動き回っていることに興奮しているだけにも見える。安い買い物ではないので何日も迷ったが、奮発して買って良かった。

気が塞ぐことも多いが、良いこともある。妻や子どもたちが家にいてくれるのは賑やかで楽しい。本人にも直接言っているが、妻はとても素敵な人で、一緒に暮らしていて毎日楽しい。いつか元の日常が戻ってきても家にいてくれたら、と思わないでもないが、在宅勤務できる職種ではない妻にはストレスも多いだろう。やはり元のように通勤できるようになってほしい。

明日は雨風が強まるらしい。店は混まないだろうから買い物に行くチャンスかもしれない。野菜・魚・酒などを買いたいが、酒は程々にしたほうが良いのだろう。今この日記は缶ビール1本飲んで、眠たいのを堪えながらスマホで書いている。酒に弱くて本当に良かった。金が掛からない。