ケルヒャー

先月の誕生日、妻からケルヒャーの高圧洗浄機をもらった。ユニットバスの分解掃除を、業者に頼めば2万近く掛かるけれど、そのお金で高圧洗浄機を買ったほうが楽しそうという話になったのだ。

ユニットバスの分解は、昨年に続いて2度目だ。前面のフタを外して浴槽や床が露わになると、そのままそっとフタを閉めたくなるくらい汚れている。けっして手で触りたくはない、ぶよぶよとした謎の物質におおわれていて、うっかり手がすべって指についたりすると最悪の気分になる。けれども今年はケルヒャーがあるから大丈夫だ。

水圧をMAXにして浴槽に発射すると、勢いよく飛び散った黒い汚れが、天井や壁や手足にひっついて最悪の気分になった。初めから全開にしてはいけない。弱い水流で少しづつ汚れを落とし、どうしても落ちない汚れには強く水を当てればいい。だんだんコツが掴めてきた。

浴室がピカピカになる頃には、水しぶきが霧のように充満して、頭から足まで全身ずぶ濡れになっていた。浴室の清掃業者の人は、この水しぶきにどう対応しているのか。全裸になるか宇宙服を着るくらいしか思いつかないけど、まあ企業秘密なんだろうなと思う。