コウペンちゃん

3ヶ月ぶりに髪を切った。次回の散髪をなるべく延期するためスポーツ刈りにしてもらう。床屋へ行くたびに不安になるのだが、スポーツ刈りという名前からは髪型を連想するのが難しい。あるいは俺の親や親族や埼玉県民だけがスポーツ刈りと呼んでいて、江戸川を渡って千葉県に入るとスポーツ刈りとは呼ばないのかもしれない。店に入ってから名前を呼ばれるまでの僅かな時間にスマホで「スポーツ刈り」と画像検索し、問題なさそうなので散髪用の椅子に座ってお兄さんに「スポーツ刈り」と頼んだ。なぜかお兄さんからの返事がなく、やはり通じないのかと焦ったものの少し時間をあけて「バリカン入れていいですか」と返事があった。江戸川に七色の虹の橋が架かって埼玉県民と千葉県民が通じ合った瞬間である、と言えば大げさだが無事に思い通りの髪型となった。やや後退した生え際がM字型でもあり、コウペンちゃんのようでもある。えらーい、といっても東京弁の意味なのか、鳥取弁の意味(≒しんどい)なのか判断に迷うところだが、とりあえず髪を切って俺はえらい。結局のところなぜスポーツ刈りというのか分からないままだ。

昨日は妻が買ってきたウドを酢味噌和えにした。ウドを料理するのは初めてのことで、スマホで調べながら酢水でアクを抜いた。熱湯にくぐらせたりはしないのだな。知らなかった。子どもにこれは何かと聞かれたので画像検索のウド鈴木を見せた。今日はまたスーパーでタケノコを買い、皮ごと2時間くらい蒸した。きっと鮮度が良かったのだろう、舌が痺れるようなエグみは皆無で、とても美味しい。わかめと麺つゆで和えて夕食に出した。時間があれば出汁をとりたかったが、仕事の合間にやっているので多少は手抜きだ。明日の食事は妻に頼もうと思うが、俺も時間のあるときにまたミートソースを作って冷凍保存しよう。

ケーキ

夕飯の献立を考えたり買物に行ったりが面倒なときにはミートソースを作る。早茹でのスパゲティにかけてもいいし、食パンに挟んで焼いてもいいし、白飯にかけてチーズのせて焼いてもいい。翌日の朝食や昼食作りの手間を省ける。野菜のみじん切りには10分かからないし材料をホットクックにぶちこんで保育園の迎えに行っているあいだに出来上がる。昨日はレシピの4倍の量のタマネギを刻んで、コンソメの代わりに味噌を入れたら甘くて美味しいと好評だった。俺と妻はどんな料理にも味噌を入れるから消費量が多い。2月に仕込んだ味噌は秋まで食べられないから、いまは宅配で買ったのを食べている。

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スーパーの空いている時間帯に買い出しへ行っているが、遠からず外出も難しくなるだろうと考えてコープの宅配に加入した。注文しない週にも80円の手数料が掛かるのだが、そのくらいは躊躇なく払える年齢になった。年齢の問題かどうかは知らないけども。それとは別に乾物や缶詰などを多めに蓄えている。本当は個人の蓄えに頼らない仕組みを整えてほしい。

桜が満開になったあと週末に雪が降り、昨日は冷たい雨が降り、今日は朝からよく晴れて桜がやたらと綺麗に見えた。時間が遅々として進まないように思えても季節は進んでいる。細かな季節の変化をなるべく察知して大げさに喜びたい。娘は小学校で、息子は保育園でそれぞれ進級したことを祝い、昨日はケーキを買ってきて食べた。夕食時のNHKニュースで不景気の話をしていたことに便乗し、娘が国語辞典で「けいき」を調べている隙にケーキを出してくるという小細工をした。

 

めがね

4台の車をヒッチハイクで乗り継いだあと、次の車を拾うのが面倒になり、最寄りの駅まで歩き始めた。最寄りといっても徒歩で2時間はかかる。安物ゆえに重たいテントや寝袋や炊事道具を背負い、小雨のぱらつく薄暗い空の下を、北へ向かって歩いた。眼鏡をかけて遠くをしっかり見つめていても、眼鏡を外して視界がぼやけていても、状況にはしばらく変化が起こりそうになく、それなら、ぼやけた視界でただ無心に歩いたほうがいいと思い、眼鏡を外して歩いた。やがて常磐線のどこかの駅にたどりつき、さらに北へ向かって、いわき市の平ユースホステルの庭にテントを張らせてもらい、ぼんやりと海だけ眺めて過ごした。大学受験に失敗して二浪が決まった2004年3月のことだった。

このとき以来、何らかの不安を感じたときには、眼鏡を外すという奇妙な癖がついた。情報過多で頭が回らなくなり身動きできなくなったとき、視界をぼやけさせてしまえば、自分の目の前にあることから手をつけられる。遠くのものがはっきり見えていても遠くのものには手が届かない。それなら遠くを見つめる必要はないし、目を開けている必要さえ無いのかもしれない。遠くが見えていても、たどり着くまでに風景が様変わりしていることもある。いたずらに情報をかき集めたり遠い将来を予測して不安に陥るくらいなら、目の前に現れてくるものに都度、対処していくほうがいいと思った。

再訪しようと思っていた平ユースホステルは津波で無くなった。二浪して入った大学もあっさり中退した。予想のできないことが次々に起こり、遠い将来を見通すなんて無意味だという思いが年々強まっている。来年のことは分からないし来月のことも分からない。ぼやけた風景の中をいまだに北へ向かって歩き続けているような感覚がある。今日も雨が降って薄暗い空だった。

明日は晴れて暖かいらしい。東北も晴れるだろうか。どうやっても晴れやかな気分にはなれない一日を、なるべく、ぼやけた視界で過ごそうと思っている。

休校日記

ツタヤのカードはずいぶん前にハサミを入れて破棄したのを覚えているが、なぜハサミを入れたのかは覚えていない。きっとCCCが何かをやらかしたに違いないが、たとえCCCが優良企業だったとしても、今頃はもう店舗にDVDを借りに行くのは止めていただろうな。子どもはiPadに入れたNetflix、Amazonビデオ、Torne、YouTubeなどのアプリを器用に使いこなしている。俺が7歳のとき実家にはVHSのビデオデッキも無かったのに、あまりにも別世界すぎて面白い。

その一方では未だに紙のプリントに鉛筆で書き込んで、消しゴムで消しているのが、これもまた面白いなと思う。消しカスをちゃんとゴミ箱に捨てることができず、床にこぼしてしまって子どもが妻に注意される。VHSはiPadへ進化したのに、消しカスが消しカスのまま残っている2020年なんて、予想もできなかった。

新型コロナで休校が始まってから今日で5日目になる。もう何年も一人きりで仕事している俺でさえ、ちゃんと自己管理できているとは言い難いのに、まだ7歳の子どもが自習できる訳がないのだけど、今日は2時間ほどドリルやプリントに向かっていて偉かった。あとの時間はiPadで3時間ほどドラえもんを見ていたけど仕方ない。

夕方、特に用事もないが子どもをつれてダイソーに行き、何を買ってもいいよと言ったところ毛糸と編み機をカゴに入れていた。帰宅して一緒に説明書を読みながら編んでみて、指が収まるくらいの袋状の何かが出来上がった。これを5つ作れば手袋になるのだろうか。手の甲と、手のひらの編み方が分からないけれど。

目が悪くならないか心配なので明日はiPadを1時間ほどにしてほしい。同じテーブルで俺は一日ずっとパソコン仕事をしているのだし説得力はないのだけど。

台湾旅行 準備編

息子が40℃の熱を出して保育園を早退してきたので来週の台湾旅行は残念ながら中止かと思ったけれども一晩で平熱に戻った。念のためキャンセル保険を掛けてはあるが、次にまとまった休みが取れる機会がいつになるか分からない。もしも直前にまた高熱が出たら旅行は中止だし、このブログも準備編だけで終わりになるだろう。できれば続編を書きたいので息子は平熱を保ってほしい。

訪問地の予約等のためメールのやりとりをしている。台湾には英語を流暢に話す人が多いというが、メールでは割と英文法の間違いがあった。こちらも語彙が乏しいし前置詞が分からないけど自信を持ってどんどん間違えようと思う。英会話もなんとかなるだろう。相手が英語を話せない場合は、それはそのとき考える。

旅行の準備は概ね終わった。今週はとりあえず仕事を頑張る。

追記 夕方から再び39℃。

追記2 37℃台に下がったので病児保育へ。